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母乳と粉ミルクを比較すると?母乳神話を考えてみよう

赤ちゃんが産まれると待ったなしで授乳が始まります。現在は、病院でも誕生直後から母乳育児に熱心なところが増えてきました。赤ちゃんの食べ物として完璧な母乳をあげるのが一番で、完全母乳で育てるのが理想、という風潮すらあります。

私もできるだけ母乳で育てたいと思っていましたが、出産後はなかなか母乳が出ず、焦っていました。退院するころにようやく出るようになってほっとしました。うちの子の場合、保育園に預けるため、途中から母乳と粉ミルクを併用していましたが、最後まで母乳で育てる子供と違いは出るのか、疑問は残りました。

母乳と粉ミルクの違いについて、考えてみました。

母乳神話とはどういうもの?

 

母乳には、母親からの免疫が含まれているので、赤ちゃんが病気にかかりにくくなり、お母さんにとっても母乳を出すことが子宮の戻りを促す役割があります。更にダイエットにもなるというメリットも。

母乳が果たす役割が大きいことが分かっているため、

「母乳で育った子のほうが知能が高い」

「ミルクで育った子はスキンシップ不足で精神的に不安定になる」

「母乳が出ないのは母親の努力が足りないから」

というように、母乳でないといけないとエスカレートしていく面も見られます。

これが「母乳神話」と呼ばれるものです。

 

1989年に、WHOとユニセフが「母乳育児成功のための10か条」という共同声明を発表しました。そこでは「すべての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること」「すべての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること」が呼びかけられました。この共同声明が世界的に母乳育児に対する機運を高めていき、日本でも母乳育児が推奨されることになりました。

 

現在は、こうした歴史的な経緯に加えて、無添加で自然なものを志向するエコの風潮も母乳育児を後押ししているようです。

粉ミルクの歴史を調べてみました

昔、母乳の出の悪いお母さんは、他のお母さんにもらい乳をしたり、おかゆの上澄みや薄めた牛乳を赤ちゃんにあげていたそうです。

 

西洋で初めて粉ミルクが誕生したのが1860年代。身寄りのない赤ちゃんの施設である養育院などで用いられましたが、家庭で育てられている赤ちゃんに比べて死亡率は非常に高いものでした。

また、発展途上国でも栄養的に優れたものとして粉ミルクが宣伝され、広がりましたが、汚れた水や消毒していない哺乳瓶の使用などで病気が多発し、たくさんの赤ちゃんが命を落としました。

 

日本で最初の粉ミルクが販売されたのは1917年(大正5年)。しかし、昔は栄養学の知識も不十分で、牛乳のたんぱく質がそのまま利用された上に砂糖が添加されていたりして、まだ母乳にはほど遠いものでした。

第二次世界大戦後に、粉ミルクの研究は飛躍的に発展します。母乳の成分に近づけた粉ミルクが開発され、昭和40年代には、栄養のバランスがよい粉ミルクのほうが母乳よりも優れているという考えのもと、粉ミルクブームが起こりました。

母乳と粉ミルクの成分に違いはあるの?

現在の粉ミルクは、厚生労働省が定めた「母乳及び乳児用調整粉乳の成分組成と表示の認可基準」によって成分の基準値が決められているので、メーカーによって大きな違いはありません。日本の粉ミルクは、各社がより成分を母乳に近づけようと研究開発を続けた結果、世界的にも高い評価を得ています。

母乳はお母さんの血液から作られるので、粉ミルクにはない免疫が含まれており、病気にかかりにくいと言われています。ただ、その免疫も生後6ヶ月を過ぎると切れるので、母乳もミルクも差はなくなります。また、衛生状態の悪い発展途上国では、不衛生な水や哺乳瓶で与えられる粉ミルクよりは母乳のほうが安全であると言えますが、衛生状態のよい日本では、粉ミルクだからといってすぐ病気になるようなことはまずありません。

また、ミルクは飲みやすくて栄養価が高いので、粉ミルクで育つと大きくなり、母乳だと締まった子供になると言われたりします。しかし、これも、母乳と粉ミルクの違いよりも、赤ちゃんの生まれ持った体質の違いのほうが大きく影響しますし、赤ちゃんのときは小さくても思春期には背が伸びる、または逆のパターンも普通に見られます。

母乳と粉ミルクの違いよりも、大切なことはママの心の健康

これまで見てきたように、赤ちゃんにとって母乳が一番自然な栄養であることは確かですが、現在の粉ミルクは母乳との間に大きな違いはありません。

粉ミルクには、パパやお祖母ちゃんなど、ママ以外の他の人が赤ちゃんと触れ合いながら授乳ができたり、量が足りなくなる心配がない、というメリットがあります。

母乳が出ない、母乳の量が少ないと悩んでいるお母さんはたくさんいます。そんなお母さんにとっては、粉ミルクがあることが大きな助けになるはずです。しかし、実際には「母乳神話」を気にして、「ミルクをあげるのは自分の努力が足りないからでは」「母親失格では」と、粉ミルクを使うことに罪悪感を感じ、自分を責めてしまうことが少なくありません。ひどい場合は、完全母乳にこだわるあまりに量が足りず、赤ちゃんの体重が減ってしまったり、栄養が足りなくなってしまうようなことさえ起こっています。


一番重要なことは、母乳でも粉ミルクでも、赤ちゃんにお腹いっぱい飲ませてあげること。
それには、母乳神話にとらわれないママの心の健康を保つ事が大切だと思います。

 

母乳が出にくいママさんへ、母乳にこだわらなくても大丈夫

私は母乳を中心に粉ミルクもあげつつ赤ちゃんを育てましたが、母乳とミルクの間に目に見える違いがあるようには感じられませんでした。子供の友達を見ていても、母乳だからこう育って、ミルクだからこう育っているというような違いがあるようには思えません。

もし、粉ミルクと母乳に違いがあるのなら、粉ミルク全盛期に育った年代の人には何か影響が見られるはずですが、そんなことはありませんよね。

粉ミルクも、たくさんの研究者の方が、赤ちゃんのために少しでも母乳に近づけようとして作った努力の結晶、愛情の結晶です。

母乳をあげたいと思っているのに母乳が出なかったとしても、それはタイミングが悪かったり、単にそういう体質だったりしたというだけのことです。お母さんの努力が足りないわけでも、愛情が足りないわけでもありません。

「赤ちゃんに母乳をあげたい」と思って悩む。そのことが何よりも愛情を持っている証です。だから、粉ミルクをあげることに罪悪感を持つ必要はまったくありません。

それよりは、衛生的な現代の日本で育児ができることに感謝して、粉ミルクを上手に使って心のゆとりをもって赤ちゃんを育てるほうがずっと大事だと思います。

赤ちゃんにとっては笑顔のお母さんといられることが何よりの幸せなのです。

 

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hugplus

夫(40代)妻(40代)娘(中1)。産業カウンセラー資格保持、アドラー心理学 を学び、子育てに実践しているのんびり母さん。心は少年の夫と共に中学生の娘 が親離れしていくのを心強くもちょっと寂しく思うこのごろです。

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